お母さんに読んで欲しい絵本6選
現在、心理系大学院でこどもと絵本について研究しています。
多くの絵本に触れる中で、特にお母さんの心に響きそうなものをピックアップしてみました。
ネタバレになるのであえて多くは書きません。ぜひ実際に手に取ってみてください。
ちょっとだけ
作: 瀧村 有子
絵: 鈴木 永子
出版社: 福音館書店
ご存じの方も多い名作。
誰が読んでも感動できますが、第二子を授かって毎日めまぐるしく育児をするお母さん(お父さん)にはぜひ読んで頂きたい一冊です。
コレを見て自律心が芽生える子も多いですよ。
よるくま
作・絵:酒井駒子
出版社:偕成社
働きながら、頑張って子育てをしているお母さん(お父さん)に。
酒井駒子さんの絵は大人向け?という印象がやや強いですが、こちらはこどもの絵本らしいタッチで描かれています。この本がお気に入り!という子も多いです。
いいから いいから
作:長谷川義史
出版社:絵本館
実は、同じ作者でお母さん人気が高い「おへそのあな」という絵本もあるが、あえてこちら。
絵の雰囲気は好き嫌いが大きく分かれるところ。どちらかというとお父さん向け、でしょうか。
ぐるんぱのようちえん
作:西内ミナミ
絵:堀内誠一
出版社:福音館書店
これは、大人だけでなく子どもからの人気もそこそこある絵本です。
こどもには保育園や幼稚園に通い出す、習い事を始める等、外へ一歩踏み出すときに読んでもらいたい作品です。
きょうはなんのひ?
作: 瀬田 貞二
絵: 林 明子
出版社: 福音館書店
「こんとあき」「はじめてのおつかい」の林明子の絵で、安心感があります。
主人公が6歳なので乳幼児をもつお母さんにはちょっと早いかも知れませんが、いつかこんな日が来るかなあ、と楽しみになる絵本です。
今日
訳: 伊藤比呂美
画: 下田昌克
出版社: 福音館書店
とても有名な絵本なので皆さんご存じかとは思いましたが、選ばざるを得ませんでした。
この名も無き一編の詩をエールととるか、いたたまれない心情の発露ととるか。
どちらにしても、お母さんにとって素晴らしい絵本であることは間違いないでしょう。
できれば、旦那さんから子育てをする奥さんにさりげなくプレゼントして欲しい絵本。
まとめ
いかがでしたか。
今回は「あくまでこども向け」に作られた絵本の中で、お母さんも感動できるものを6冊ご紹介しました。
いつも忙しく子育てをするお母さん。
たまには赤ちゃんが寝た後にでも、そっと自分のために読み聞かせをして、お母さん自身の感情にも目を向けて欲しいと思います。
思いやりのある子に育てるには?
思いやりのある、優しい子に育って欲しい。
これは全てのお母さんがこどもに願うことだと想います。
でも、実際そのためにはどうすればよいのでしょう?
そもそも「思いやり」とは?
思いやりは、相手の心情や状況に心を配ること、もしくはそういった気持ちをいいます。それは、ただ「ああ、この人は悲しんでいるんだな」と頭で判断するのではなく、その人の痛みに寄り添い、なんとかしてあげたいと思う「こころ」、相手の気持ちに対する「共感」する心が必要です。
いろんな感情を経験する
「共感」を育てるには「感情」を知り、それが相手の心の中にあることを理解できなければなりませんよね。
一般的に感情の発達については、だいたい6ヶ月くらいまでに喜怒哀楽の基本的な感情が揃い、その後客観的に自分を認知できるようになると(客体的自己)照れや憧れ、そして共感が生まれます。
そして、これら「感情(情緒)」を、赤ちゃんは愛着関係にある大人からのフィードバックによって獲得していくと考えられています。
赤ちゃんは様々な形で自分の思いを表現します。それをお母さんが読み取り、「こわかったね」「さびしかったね」「嬉しいね」と気持ちを共有し、言葉を添えて優しく投げ返します。
このようなごく一般的なやりとりの中で、自分の気持ちが理解されている、受容されていると感じると同時に、安心して自分の気持ちに気付きます。
色んな感情を体験させるだけでなく、お母さんの言葉がけや表情でその感情に気付かせてあげると、赤ちゃんの心はどんどん豊かになっていきます。
この点、絵本の読み聞かせはとても有効です。
いろんなお話をお母さんに読んでもらい、安心した環境でたくさん感情の機微を体験できます。
相手の身になって考える力
上の表を見て頂くと分かるように、0歳ですでに「苦痛」の感情を持っています。
たとえばこの頃の赤ちゃんは、転んで泣いている子がいると、それを見て泣いてしまうことがあります。
ホフマンという心理学者によると、このとき赤ちゃんは、相手と自分の区別がなく自分が痛み(不快)を感じたような気分になり、相手の痛みではなく自分の痛みとして泣いています。
これが、1歳を過ぎると、自分を客観的に見られるようになる反面、他人が別の存在だと気づきはじめ、相手のことを慰めるようなしぐさがみられるようになります。上記「感情の発達」でも「共感」はこの頃に獲得されていますね。
でもまだすこし自分の苦痛と他人の苦痛を混同しているところがあって、転んで泣いている子を「自分の」お母さんのところに連れて行ってしまいます。
その後2際から3歳になると、他人の立場・視点から気持ちや考えをなんとなくですが推測できるようになって、泣いている子を「その子の」お母さんのところに連れて行けるようになります。
このように、状況から相手が自分に期待するであろうことが理解できるようになることを「役割取得能力」といいます。
共感する力はこの役割取得能力とともに発達していくわけですね。
他人の心は「やりもらい遊び」から
ではこの「役割取得能力」を伸ばすには?
初歩的なものは7~8ヶ月でできるようになる「やりもらい遊び」です。
愛着関係にあるお母さんとのやりとりの中で、自分がして欲しいこと、相手がしたいことが「はい、どうぞ」「まあ!ありがとう」を繰り返すことで同じだと分かり、相手の意図を察する力が育ちます。この時期はウンザリするくらい何度も繰り返したがりますが、頑張って付き合ってあげてください。
そして2歳からはじめる「ごっこ遊び」も、様々な役になりきって他の人の考え方や行動を学ぶことのできるものです。人形をあやしたり、ままごとやお店屋さんごっこなど、いろいろとシチュエーションを変えて遊ぶと良いとされています。
特別なことではない
思いやりのある子に育つには、色んな感情を育まれることと、相手の気持ちになって考えられることが必要です。
発達過程ということで面倒臭い学説を取り上げて説明しましたが、つまるところ養育者としては特別何かをする必要があるわけではなく、普段お母さんがしている愛情あるやりとりで育まれているるものなんですね。
とはいえ知ってやるのと知らずにやるのとは結果に違いが出ることも多いので、赤ちゃんと触れあうときに頭の片隅に思い出して頂ければ幸いです。
今回の参考文献:
遠藤利彦他「乳幼児のこころー子育ち・子育ての発達心理学ー」有斐閣アルマ
萩野美佐子「発達心理学特論」放送大学大学院教材
菅野幸恵他「エピソードで学ぶ あかちゃんの発達と子育て」新曜社
澤田瑞也 「人間関係の生涯発達 (人間関係の発達心理学) 」培風館
見た目で決めない!抱っこひもの選び方
抱っこ紐、色んなメーカーのものが売られていますね。
エルゴベビーやベビービョルンなど、海外のブランドが目立つジャンルでもあります。
ピジョン、コンビなどの日本メーカーも頑張っていて、どれを買おうか迷います。
そこで、抱っこ紐を買うときのポイントをまとめてみました。
首すわり前はおすすめしません
縦抱きだっこ紐は首がすわってから(3〜4ヶ月頃)。
それまでは抱っこ紐は使わない方が良いでしょう(横抱き用も布とお母さんの身体に挟まれて足が伸びた状態になりやすく、注意が必要です)。
長い外出自体、できれば控えて欲しい時期です(近所をちょっと散歩、くらいは刺激になって良いのですけどね)。
M字開脚と「C」型
赤ちゃんにとって一番良い姿勢は、腕は「W」型、足は「M」型です。特に足については、日本人は欧米人に比べ股関節脱臼しやすい民族と言われています。
また、背骨がまっすぐ、あるいは反って居るような姿勢も苦しいもの。特に乳児は背中からお尻にかけてのラインが「C」の形になるように抱っこできる物にして下さい。そうすると、赤ちゃんの頭が胸よりも上に来るので、窒息死するリスクも軽減できます。いわゆる「コアラ抱っこ」の体勢になるものを選ぶのが良いと思います。
横抱きのスリングなどは足も開かず、伸びた状態なので避けた方が良いでしょう。
( コアラ抱っこ )
あかちゃんを正面から抱くと、ちょうどコアラが木にしがみついているよな姿勢になります。このしがみつくという行為が手足の感覚を養い、お母さんとの密着を自分で調節できる点で優れていると言われています。これにより、自然と腕「W」の字、足「M」の字に開く状態になります。
気をつけて欲しいのが赤ちゃんの「高さ」
時々中高生のリュックみたいに低い位置でぶら下げられてるのを見かけますが、M字開脚にならないばかりか、顔が胸の厚いところにきてしまい赤ちゃんにとって息苦しいポジションです。
赤ちゃんの顔がお母さんのデコルテの辺りに来る高さだと、自然とM字開脚C型にしやすくなりますので、注意してみてください。
時々前を向ける事ができる抱っこ紐も見られますが、M字開脚でもC型姿勢でもない上、怖くなったときに手足でしがみつくことができず、お母さんの匂いがしない抱き方はあかちゃんを不安な気持ちにしてしまいあまり良いとは言えません。
使い方で事故を防ぐ
実は、意外と多いのが抱っこ紐での事故。少し古いデータですが、アメリカでは死亡事故も発生しています。
・東京くらしweb「抱っこひも等の安全対策」(外部サイトに移動します)
そこで消費者庁も以下の点について注意喚起を行っていますので、抱っこ紐を利用する際にはくれぐれも注意してください。
- バックルの留め忘れ
- 子どもの位置
- ウエストベルトの位置
- 子どもの様子(苦しくないかどうか等)
- ベルトの緩み
・東京くらしweb「抱っこひもからの 転落事故に気を付けて!」(外部サイトに移動します)
どこの抱っこ紐が良い?
市販されている抱っこ紐は概ね上記の点について考慮されていると思います。
ただ僕が買うなら日本ブランドのものでしょう。
僕は一時期ヨーロッパのある国に住んでいたのですが、服や靴、バッグにヘルメット、サポーター、スポーツ用品など、生活用品が身体に合わず苦労しました。それ以降、どうしても身につけるモノは日本企画のものを選んでしまいます。
ましてや赤ちゃんです。メインターゲットに日本人を想定して商品開発をしているか否かは非常に大きいのでは、と考えてしまいます。
例えば、ある研究よると日本人の出生児は白人とくらべて300g、中韓と比べても150g小さいそうです。
また、白人の赤ちゃんは体重は日本人より重いのに頭は小さいですよね。このあたりも少し気になるところです。
もちろん、赤ちゃんの身体に合っていれば問題ないのですけどね。
おんぶ紐も見直されています(個人的におすすめ)
日本のおんぶ紐が、子供の姿勢やお母さんとの高い密着度、お母さんの疲労軽減に赤ちゃんの視点の高さなどから注目されてるようです。最近のものはヒモが胸の前でクロスしないので恥ずかしくなく、抱っこ紐にもなるなど機能的にも進化していますし、家事もしやすいみたいです。何より抱っこ紐ほど疲れません。
ちなみに僕の居た保育園でも、赤ちゃんをあやすときは抱っこ紐ではなく、おんぶ紐でした。
代表的なのが熊本・天草の「肥後もっこ」でしょうか。抱っこ紐としても良さそうです。
肥後もっこの作り方をツイートされている方もいます(なんとも有り難いことです)。
もっこ(おんぶ紐)の作り方まとめました。字が汚くてすみません。「もっこ」って何?どうやって使うの?といったことは検索してください pic.twitter.com/TgowZFVtvl
— 38(みや)@息子3歳&双子♀♂2歳 (@3_8_3_8) June 15, 2016
腕に自信のある方や、腕に自信のあるおばあちゃんがいる方は、是非挑戦してみて(してもらって)ください。
発達に合わせた言葉がけとは?
ことばの発達はお母さんも気になるところ。
どうすれば順調に言葉を覚えてくれるのか、頭を悩ませているお母さんも多いと思います。
そこで、赤ちゃんにどのように言葉がけをするのが良いのか、調べてみました。
基本ポイント4つ
1. 赤ちゃんの気持ちに寄り添う
言葉は単なる命令や意思表示の手段ではありません。コミュニケーションの手段です。そしてコミュニケーションは言葉だけで成立するものではありません。
著名な言語学者レイ・L・バードウィステル曰く、他人から受け取る情報のうち実に6~9割が非言語的要素だそうです。
まずは赤ちゃんと共感すること。そして赤ちゃんの心の内を、少しずつ言葉にしてフィードバックしていく。これがことばを育てる対応の第一歩です。
2. ゆっくり、わかりやすく、間を取って
できるだけ理解しやすく、覚えるときに間違えないようにしてあげてください。単語が上手く聞き取れなかったり、早すぎて何だか良く分からなかったりすると、それがストレスになって言葉に対し不信感を抱くようになります。
3. 言葉を覚えさせようとしない
知らず知らずにやってしまう「これなあに?」「あれはなんていうんだっけ?」等の「質問」。実は会話ではなく、答えを述べさせる「命令」なんだとか。
確かにこどもはテストするようなこの会話を非常に嫌います。こどもの関心とは無関係な事が多く、楽しくないから。モチベーションはダダ下がりです。気をつけましょう。
とはいえ、「テベリ見る~」「そうね、テレビ見ようね」とヤンワリ訂正したり、「この中でどれが好き?」「クマちゃんに何着せようか?」等、こどもの想像力を促すような語りかけはOKというから、なかなか難しいものです。。。
3. いわゆる「こそあどことば」を使わない
曖昧な表現は赤ちゃんを困惑させます。ことばが未発達ゆえに「モノ」と「ことば」の対応関係をしっかりと示してあげることで、必要な語彙を獲得していきます。
年齢と言葉かけの態様
そこで、おおまかな目安になればと思い、表を作成してみました。
便宜上月齢でに区切ってはありますが、発達には大きく個人差があります。
また、ざっと見て頂ければ分かりますが基本的な対応は3歳まで変わりません。
むしろ、基本ポイント4つをどのように実施するのかの参考程度に見て頂くのが良いのかな、と個人的には思います。
0~3ヶ月はまだ言葉は話せませんので、自分が発した声や表情で反応が返ってくるという「やりとり」の基礎を覚えている時ですよね。
実況中継についても特に内容などは気にせずに、お母さんの声が聞こえることの心地よさが感じられれば充分です。
この時期に母国語のリズムや拍を身に付けているのではないかと言われています。
4〜6ヶ月になると「ブブブ」とか「ダアダア」など喃語を話し出します。擬音語や擬態語で真似しやすい言葉で話しかけるのと同時に、言葉に意味があることに気付き始める時期と言われていますので、ものの名前を言葉にするとよりそれが促進されるのでしょうね。
7〜9ヶ月は物事だけでなく感情にも名前がある事に気付き始めます。だからこのときの言葉がけは感情を言葉にして返すフィードバックが基本なんですね。記憶力もグッと上がる時期ですので、物事の名前を覚えはじめるには良い時期だと思います。
10~12ヶ月の「一語文」は「赤ちゃんが理解できるであろう言葉」です。なので例にあるように分かりやすいことば1語+もう1語で話しかけることで、徐々に「文」に慣れていきます。
この時期重要なのは共同注意。指差しなどで同じ対象について意識を共有できるようになると、モノの名前や意味の理解もグンと良くなります。
1歳~1歳3ヶ月では、赤ちゃんの発語はまだ不安定。でも、ここでは言葉とともにやりとりすることを練習しています。状況などから想像して動作や言葉を返してあげましょう。お母さんの反応から言葉の間合いや使い方を知ることができます。
1歳4ヶ月~1歳7ヶ月では、まだ発語は少ないですが、実は大人の言葉を相当理解できるようになっているそうです。なので一つの物事から派生して周辺的な言葉を投げかけてあげると語彙の増加に繋がりやすい時期と言われています。
1歳8ヶ月〜2歳は発語が増えはじめ、話したい気持ちが高まっている頃です。それでも語彙力が足りず、上手く文にならないことが多いでしょう。そんなときにイライラしないよう、大人が上手く汲み取って伝わったことを示してあげると、嬉しいですしヤル気も湧きます。
2歳くらいになると現在・過去・未来のいわゆる「時制」が理解できるようになってきます。
また感情の分化が進み、色んな気持ちが心の中に表れだす頃です。表情などから適切に汲み取り、感情とそれを表す言葉に気付かせてあげてください。
3歳からの「質問の嵐」は言葉を覚えたい!という欲求の表れです。ここで丁寧に対応できたかどうかで、こどもの語彙力とその先の学習意欲に影響しますので、面倒臭がらずに応えてあげて欲しいところです。
考えすぎる程のことではない
ざっと3歳までの言葉がけを見てきましたが、意外と普通にできている人がほとんどな気がしますね。
表まで作っといてなんですが、時折「表ではこの時期、どんなだっけ?」と確認する程度で良いと思います。
おすすめ参考文献:
中川信子「こどもの発達に合わせたお母さんの語りかけ」PHP研究所
妊娠したらすぐ確認!受けられる公的扶助あれこれ
赤ちゃんを授かるというのは、代えがたい喜びだと思います。
しかしこれから出産・子育てという大事を前に、経済的な負担も気にせずにはいられません。受けられる公的扶助を適切に利用し、少しでも経済的に余裕を持って望みたいものです。
実際に妊婦生活をスタートするとそれなりに情報は入ってくると思うのですが、念のために事前に確認しておきましょう。
誰もが受け取れるもの
妊婦検診などの助成
妊婦検診の14回分について、各自治体から助成が受けられます。
住民登録をしている市町村に「妊婦届」を出すと、母子手帳と一緒に妊婦健診費助成の受診票がもらえますので、妊婦検診時に産院の窓口で提出すれば、助成額を超えた分のみ支払えば良いことになります。尚、助成額は自治体によって異なります。
出産育児一時金
自分が健康保険に加入しているもしくは配偶者の健康保険の被扶養者となって居る場合、妊娠4カ月目(85日)以上の出産(死産・流産等を含む)について支給されるものです。
支給額は産科医療補償制度加入分娩機関で出産した場合、1児につき42万円(在胎週数第22週以降のものに限る)、それ以外の場合は40.4万円となります。
受け取り方法は、出産する医療機関の規模によって、請求・受取のどちらもやって貰えるところと、医療機関は受取のみで健康保険組合への請求は自分でやるひつようがあるところがありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
児童手当
0歳から中学3年生(15歳になって最初の3/31)までの子どもを養育している人に支給されます。
- 3歳未満・・・月額15,000円
- 3歳~小学校修了前・・・第1子・第2子は月額10,000円、第3子以降は月額15,000円
- 中学生・・・月額10,000円
児童扶養手当
父母の離婚など「ひとり親家庭(父または母が一定の障害状態にあるときも含む)」に支給される手当です。18歳の誕生日後、最初の3月31日までのこどもが対象。公的年金(遺族年金など)を受け取っている場合は支給されませんが、公的年金の年金額が児童扶養手当額より低額の場合は、その差額分を受給できます。
※児童扶養手当についてはこちらで詳しく解説しています。
お仕事をされているお母さん(会社員や派遣、パート等)
出産手当金
健康保険(国民健康保険は対象外)の被保険者が出産のため会社を休み、事業主から報酬が受けられないときは、出産手当金が支給されます。
支給額は月給日額の2/3、支給期間は出産日前42日(双子以上は98日)から、出産日後56日までです。報酬を貰っていても、2/3に満たないときは2/3までの差額を受給できます。
育児休業給付金
雇用保険の被保険者で、原則1歳未満の子を育てるために休業した場合に支給されます。
お父さんが休んだ場合でも支給されますし、保育所に入所できないなどの場合には、2歳まで延長されます。
支給額は育休開始後180日目までは休業前賃金の67%、それ以降は50%です。
注意点としては、休業開始日よりさかのぼって2年の間に、雇用保険の加入月が12ヶ月以上あることが条件となっていますので、忘れずに確認してください。
産休・育休中の社会保険料の免除など
産休・育休どちらも休業を開始した月から終了の前の月までが社会保険料免除となります。「免除」ですので、支払わなくても支払ったことになります。年金の受給額が減額されたりすることはありません。例えば子供が1歳になるまで産休・育休を取得すると、だいたい1年3カ月間の社会保険料が免除されることとなります。日割り計算は行いません。
※2019年4月から厚生年金だけでなく、国民健康保険の第1号被保険者も、産前産後期間(出産予定日または出産日の前月から4カ月間、双子以上の場合は出産予定日または出産日の3カ月前から6カ月間)は、国民年金保険料の免除されることになりました。
この場合ももちろん保険料を納付したものとされます。
住民登録をしている市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口へ届け出てください。
(免除の届出は出産予定日の6カ月前から可能です(出産後でも届出可能))
まとめ
経済的な安心感もそうですが、このような制度を知ることで、社会全体があなたと生まれてくる赤ちゃんを祝福していることを実感できたのではないでしょうか。
経済的な援助ばかりでなく、育児支援のサービスも以前に比べ手厚くなってきていますので、地域子育て支援センターや保育園なども気軽に利用してみましょう。
こどもの視力について
さて、ここで問題です。
あのハンバーガー屋さんにいるお馴染みのキャラクター、ドナルド、ハンバーグラー、ビッグマックポリス、グリマス、バーディー。
この中で、生後1ヶ月の赤ちゃんに一番人気なのはどのキャラクターでしょう?
白黒ストライプ最強説
答えは、分かりません。分かりませんけど、多分、おそらく「ハンバーグラー」でしょう。
…え? 特に可愛くもなく、かといってそれほどコミカルでもない彼が!?と訝る向きもおありでしょう。ポイントは「白黒の縞」。
あかちゃんの眼そのものは、出生時すでに器官としてほぼ完成しています。
ただし、眼球を動かす筋力や視覚信号を処理する脳の方がいまだ未発達の状態。
そのため、ピントもぼやけ、色の識別もまだ未発達。視力は0.01程度といわれています。そんな状態なので普通に視力ははかれません。
そこで「選好注視法」という、そればっかり好んで見てるってことは見えてんじゃないの?という検査法で調べたところ、どうやら新生児には0.3cm幅の縞模様が見えていることが分かりました。
赤ちゃんは無地よりも縞模様により興味を抱いているわけです。ちなみに同じ実験で、赤ちゃんが人の顔を好んで見ることも明らかになっています。
色の区別はいつ頃から?
色の区別については、もう少し科学的な「視覚誘発電位による脳波測定」という方法で調べます。頭に電極を貼り付ける、アレです。脳の反応する部分を測定して、見えてる/見えてないを判別するわけです。
それによると出生後1週間くらいから無彩色、白や黒や灰色ですね、これについての反応が見られ、3ヶ月頃には安定します。
その後、生後2ヶ月で赤と緑の区別、4ヶ月で青と黄色の区別がつくようになります。
さあ、ここまでで何故「ハンバーグラー」なのか、合点がいったでしょう。
「縞模様」。それも「白黒」。赤ちゃんが好む模様で、しかも認識できる色なのです!実際、これを利用したおもちゃや絵本も多く販売されています。
ちなみに生後4ヶ月の赤ちゃんが好きな色ってなんでしょう?淡いピンク?優しい雰囲気のベージュ?
わかります。そう思った時期が僕にもありました。
ところがこれまた「選好注視法」を使った調査から、4ヶ月の赤ちゃんが好む色は一番が「青」、二番目が「赤」であることが分かったのです。
淡色ではありませんよ。濃い青と赤です。その他、オレンジや黄色、緑と、まさにディック・ブルーナの世界。
「赤」?そうです。新生児にはチヤホヤされた白黒ストライプなハンバーグラーも、4ヶ月になると打ち捨てられ、赤白ストライプ(&黄色ズボン)のドナルドにあっさりお株を奪われてしまうのです、多分。
ちなみにあかちゃんにとって淡色はあまり好きではない、あるいは見えてない可能性のある色だそうです。
とはいえ、脳は視覚刺激を受けながら発達します。
好きな色ばかり見せれば良いというわけではありません。たとえ明るさが変わっても同じ色だと認識するには、経験による訓練が必要ですし、大人と同じような色覚を持つには、12~14年かかると言われていますので、べージューのかいまきもピンクのロンパスもこどもの成長に十分寄与している、はず、たぶん、どう、でしょうか。
奥行きは?
実はこれ、とても複雑な問題です。
と言いますのも、単に「奥行き」と言っても、それを知覚する手がかりが、空間の知覚や両目の視差、陰影による凹凸や絵画的手がかり(遠近法など)と複数あり、それぞれの発達が奥行きの知覚に関係しているらしいのです。
このなかで両目の視差に関係する眼球の運動に関して言うと、4ヶ月には滑らかに動くようになり、6ヶ月では自分と物の空間的な位置を見ているようなのですが、それでも成人と同等になるには、10年以上かかるとも言われています。
視覚も様々な発達が重なって向上していく
成人と同等になるのに、10年以上かかるという点に驚かれた方も多いのではないでしょうか。僕も調べるまではもう少し早いと思っていました。
視覚は視神経や脳、筋力など様々な部分が発達することによって向上します。しかも年齢が上がれば発達すると言うだけでは無く、日常的な経験や環境の中で獲得される部分も多いのが特徴のようです。
そうでなくちゃ、いつまでたってもピンクスカートのバーディーは日の目を見ないことになっちゃいますからね。
まあ、ドナルド以外、最近は余り見かけませんが。
元気にしているんでしょうか。
今回の参考文献:
山口真美・金沢創(2016)「乳幼児心理学」放送大学教育振興会
会誌「光学」デジタルアーカイブ
https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/35-12-kobo.pdf
https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/36-06-kaisetsu1.pdf
小規模保育:メリット・デメリット
小規模保育とは、0-3歳未満児を対象とした、定員が6人以上19人以下の少人数で行う保育をいいます。2015年度から「子ども・子育て支援法」が施行され、小規模保育施設は「小規模認可保育所」、つまり国の認可事業として認められるようになった、比較的新しい保育システムです。
以前は20人以上が認可保育園の規準だったので、未だに認可外のような扱いで見られていますが、実のところ、こどもにとっては他の保育所形態に比べてメリットが多いのが魅力です。
参考URL:子ども・子育て支援新制度(内閣府)
メリット
- 保育士が多く、目と手が行き届く
- こども一人一人の発達を把握できる
- 0.1.2歳の乳幼児に特化した保育環境
- 大きい行事がないため保育に集中できる
- 保護者と細かなところまで伝え合い、連携がとりやすい
など、でしょうか。
特にこども1人当たりの保育者の数が通常の配置基準プラス1人と多いのが最大のメリットでしょう。
この頃のこどもは言葉が上手に話せない分、保育者側が丁寧に推察、応答してあげることが発達の上で不可欠。
加えて0-3歳は発達の早さにバラつきも多く一人一人に応じた保育が必要な時期です。
僕の働いていた保育園は保育士の配置基準も軽くクリアし、園庭や広さ、保育士の質等かなり良い保育環境でしたが、それでもクラス割りの関係で一斉保育にならざるを得ず、未満児のクラスでは行き届かなさを感じることが多々ありました。
こどもあたりの保育士が多ければ一人が担当する子どもの数が少なく、その分手厚く子どもの発達に応じた保育を行うことができますので、まさに大規模保育園のデメリットをカバーするような保育形態と言ってよいかもしれません。
加えて、0-3歳の保育に特化しているというところも注目したいところです。
何故かあまり重要視されることが少ないのですが、各年齢、特に未満児、以上児では保育士の関わり方や目標も大きく変わってきます。ですので、やはりその年齢の保育に精通した保育士による配慮が必要だと僕は考えています。
0-3歳はこどもが大きく発達するとともに、その後の育ちにも非常に重要な時期です。この点からも、少人数で、その年齢のスペシャリストが保育するという形態は、完璧ではありませんが保育園の形態としてはより理想に近いと言えると思います。
デメリット
そうはいってもメリットばかりではありません。
- 3歳児に保育園を移る必要がある
- 園庭などの設備が無いことがある
- B型、C型では保育士資格のない保育者がいる
2歳までなので、3歳からは認可保育所・認定こども園・幼稚園のいずれかに入り直す必要があります。これは仕方ないですね。
実は、特区において「5歳まで預かれる小規模保育」制度が2017年9月にスタートしているはずなのですが、現実には手を上げる自治体が少ないため、未だに3歳までの小規模保育が主流です。
参考URL:資料4 国家戦略特区小規模保育における運営基準・3歳以上児の公定価格について(案)(PDF形式:52KB)(子ども・子育て会議(第31回):内閣府)
また、認可保育園や認定こども園と協定を結んで卒園児を優先的にうけいれる「連携施設」という制度がありますが、未だに連携施設未定の小規模保育施設も多く、3歳の時にあらためて「保活」をしなければならないケースもあるようです。
卒園後の転園について入園選考で加点されることになってはいますが、希望の園に必ずしも空きがあるとは限らないので、やはり不安が残るのは否めません。
2番目の設備については、園庭などが無い場合、近所の公園などで身体を動かすことが多いようです。
さらに、小規模保育施設といっても3パターンあり、B型、C型の園では保育士以外が保育に携わる為、保育の質に若干バラツキが出ることも考えられます(まあ、保育士の質だって結構バラバラですけどね)。
おすすめの小規模保育施設は?
給食や施設の充実、保育士有資格者の割合等からみてA型園がバランスが良いと思いますが、やはり園の姿勢や保育方針によって変わってきます。また、少人数ですので園や保育士との相性も重要です。
その他にも給食はどこから配送されるのか、連携施設の有無、保育士の質など、実際に見学されて決めるのがやはり一番良いでしょう。
箸トレーニングはいつから?
3歳から保育園に通い始めたら、クラスの子たちが箸でご飯を食べてる!と驚かれる方も多いと思います。
保育園では、だいたい2歳児クラス(その年に3歳になるクラス)に入ると、一人一人の発達具合を見て箸の練習を始め、年度の終わりにはほとんどの子がどうにかこうにか箸を使えている、といった様子です。
もちろん早ければ良いって類いのものでもありませんので、まあ2歳半を過ぎたら遊び感覚で練習してみるのも面白いかなと思い、参考までに僕の居た保育園での指導(なんて大げさなものではありませんが)方法をご紹介します。
なんでもそうですが「焦らないこと」と、それを「こどもに悟られないこと」が大切です。
まずはしっかりスプーンが使えること
箸の練習を始める前に、スプーンが上手く使えているか確認してみてください。
この場合、一般的には「上持ち」→「下持ち」→「鉛筆持ち」の順がスムーズと言われていますが、いきなり下持ちからはじまる子もいますので、あまり深刻に考えなくて良いと思います。
鉛筆持ちが出来れば指先の準備はもう十分なので、切り替えには良いタイミングでしょう。
重要なのは「こぼさず口に運んでいるか」。
これが出来ていないと、箸に換えても上手く食べられません。食具を使ってものを口に運ぶときに、全身の筋と神経の協応がきちんと出来ていることが大切です。
お皿もある程度重みがあって縁の立ったの陶器のものが、端に寄せてスプーンですくうという動作の時にズレたりしないのでオススメです。
初めての箸は?
掌の縦の長さ+3cmくらいが良いとされていますが、だいたいで良いでしょう。
また、軽すぎるものは手の中で踊ってうまく安定させられません。木製のものがベストですが、樹脂製ならある程度重みのあるものを選ぶようにしてください。
矯正箸などは使ってみると上手く摘まめたりするのですが、独特の使用感で箸とは別物です。
持ち方のチェックには良いかも知れませんが、結局は別途、箸での練習が必要な場合が多い印象ですので、まだ2,3歳でしたら急いで試すほどでもないと思いますよ。
持てたら刺す!
ここからは僕の教え方なので参考まで。
最初から摘まめるなんて、まずありません。挑戦させてもすぐ箸がクロスして前衛芸術のようなスタイルになってしまいます。
そこで、最初は箸で食材をフォークのように刺して口まで運ぶようにします。これを良くないとする保育士さんもいますが、多分マナー上の問題でおっしゃてるだけなので今は気にしなくて良いと思います。
そのうちに里芋など、先を閉じたままだと抜けてしまう食材に難儀するようになるので、そのタイミングで箸先を少し開いた状態で刺す、というやり方を教えます。箸を開いて、固定する、の練習です。
慣れてきたら、最終的にごはんなど、粘度があり保持しやすい食材で箸先を閉じて、固定する、のやり方を教えます。
これは保育中、試行錯誤する中で思い付いたのですが意外と効果的でしたので、いろいろやってもなんだか上手くいかないな、って時に、軽い気持ちで試してみて頂ければと思います。
やっぱりヤル気が一番
大切なのはモチベーション。
問題はどうやってそれを高めるかですが、一番はおとうさんおかあさんがかっこ良くお箸を使うことです。2歳を過ぎると象徴機能が発達し、さかんに大人の真似を楽しむようになります。こどもとごはんを食べる時、おとうさんおかあさんがカッコイイ箸の使い方をすれば、こどもは箸を使うことに興味を持ち、マネしようとします。
ちなみに友人の娘は、お父さんと一緒にお揃いの箸を買ったことで、積極的に練習するようになったそうです。
また僕の経験では「うわ、この箸カッコイイねー!誰の?」「良いなあ、先生にちょうだい!」など、その子の箸を褒めちぎると、自分の箸が誇らしくなるのか、自発的に使おうとすることが多かったですね。
あとは、多分保育園ではこの時期、頻繁に「箸を使った遊び」を活動に取り入れています。
用意する物はカンタンで、割り箸と広告紙を2cm程度に丸めたもの、それに入れ物です。これを箸でひとつずつ入れ物に入れるだけの単純な遊びなのですが、思いのほか集中して遊びますので、こんな方法で指先をならすのも良いですよ。
まとめ
僕の個人的な見解からすれば、微細運動の訓練という身体の発達的な意味においては重要かもしれませんが、箸の使用自体は小学校に上がるまでに使えるようになれば充分だと思っています。欧米ではスプーン・フォークで終わりなわけですから、あまり深く悩まず、ノンビリ楽しんで練習すれば良いと思いますよ。