特別養子縁組について

今回は特別養子縁組についてです。

子育てを強く望むお母さんにとって、養子を迎えることも選択肢の一つだと思います。また、望まない妊娠をしてしまったお母さんにも考えてみて頂きたい制度でもあります。

 

特別養子縁組ってなに?

「特別養子縁組」は、子どもの福祉の増進を図るために、養子となるお子さんの実親(生みの親)との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度です(厚生労働省HPより抜粋)。

普通養子縁組とおなじく民法で定められている養子制度の一つですが、普通養子縁組は再婚時の配偶者の実子を養子にする場合のほかに「家」存続や親のために利用されてきたのに対して、「特別養子縁組」は家庭に恵まれない子に温かい家庭を提供して,その健全な養育を図ることを目的として創設された,専ら子どもの利益を図るための制度です(「法務省:毒別養子制度の概要」より一部抜粋)。こどもの福祉に重点を置いているところは里親制度に近いと言えます。

里親、養子縁組みの違い

まずは、同じような制度を比較してみましょう。

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里親制度は、こどもを何らかの理由で一時的に育てることができない場合に里親のもとで一定期間養育してもらう制度です。親権の移動もないので「預かる」制度と言ってさしつかえないでしょう。行政からの補助が発給されます。

特別養子縁組は「養親」と「養子」の親子関係をより大切にした制度です。そのため、戸籍上も実の子と同じように記録されますし、関係解消もできません。養親も夫婦である必要があります。安定した家庭環境のなかで充分な愛情を受けながら健やかに育つことを目的とした制度です。

養子縁組には2つのルート

ここからは主に特別養子縁組についてみていきましょう。
養子を迎える道はふたつあります。一つは「児童相談所」、もうひとつは「民間のマッチング機関」です。

 

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(引用:政府広報オンライン)

 

 

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※ほんの一例です。団体により手続きは様々です。

特別養子縁組の現状

児童相談所ルートですと新生児・乳児のマッチングは少ないそうです。自治体により対応に差がありますが、こどもの障害等をしっかり見極めて委託することで安定した養子縁組を実現するため、というのがその理由。

受け入れまでの費用はほとんど税金でまかなわれますので、養親の経済的負担はほとんどありません。

他方、民間団体ルートは、新生児・乳児のうちに養親に委託されることがほとんど。
養親になる条件は団体によりちがいますが、児童相談所と同じか、それ以上に厳しいところもあります。

費用についても様々ですが、大体100万~200万円くらいかかるそうです。
色々な団体に連絡し、納得できる説明が貰えたところと話を進めるのが良いと想います。

民法改正

2019年6月7日、「特別養子縁組」について定める民法が改正されました。
ポイントは以下の通りです。

※民法改正 こどもの年齢を6歳未満から15歳未満へ引き上げ
      実親の同意は2週間経過すると撤回できなくなる
      実親の他、児童相談所の所長も申し立てできる

国も特別養子縁組をネグレクトや虐待からこどもを守る「セーフティーネット」として期待しているのが伝わります。

最後に

特別養子縁組はこどもの福祉を第一に考える制度です。
行動に移される方は、実際に養子縁組みをされた方の話を聞いたり説明会などに参加して、しっかりとした心構えでこどもを受け入れてて貰えればと思います。


参考URL:リンク先に飛びます
厚生労働省HP
政府広報オンライン
法務省HP

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