赤ちゃん語は使わない方が良いの?

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赤ちゃん言葉は使わない方が良いのでしょうか?
言葉を覚え始める早い段階から、キチンとした話し方をマスターする方がなんだか良さそうな気もします。


実際、保育士でも意見が分かれていますので、もしかすると通っている園の方針に従っているけどなんだか不安、という方もおられると思います。

 

赤ちゃん語でおk

赤ちゃんが言葉を覚える上で大切なことは、コミュニケーションを多くとることです。
CDやビデオが言葉の発達に繋がらないのは過去の研究でも既に明らかになっていますが、その大きな原因が「一方通行であること」。相手の想いを理解し、こちらの想いを伝えるというやりとりが、言葉の習得には必要なのです。

それは、発語が始まっても同じこと。
お母さんと楽しく会話できることが言葉と発語への意欲を高めますし、そのためには赤ちゃんが理解しやすく、発語しやすい言葉を使った方がより効果が高いでしょう。

 

乳幼児はまだ記憶力が充分ではありません。音節が多くて長い言葉は覚えられませんし、ラ行など発音しにくい音が多いと話したい盛りのこどもにはストレスになります。

 

大人だって「supercalifragilisticexpialidocious」のような単語を発音も正確に何種類も話さなきゃならないとしたらウンザリです。なので、まずは話しやすい言葉でやりとりすること。コレが重要です。

日本語特有のリズムを持っている?

日本語は、英語やフランス語などの音節主体の言語と違い、「モーラ(拍)」を発音単位としている点に特徴があると言われています。


詳しい説明は控えますが、たとえば「シュガー」だと音節は2、モーラは3、モンテッソーリだと音節は4,モーラは7になります(1文字1モーラとほぼ同じ)。このモーラを持つ言語リズムをモーラリズムと呼びます。


赤ちゃんは生後4ヶ月と早い段階から、お母さんの発声リズム、すなわちモーラリズムに近い言語リズムで発声するようになり、2歳頃にはこのモーラリズムで発語している可能性があるそうなのです。


これはつまり、幼児語を通して母国語の持つリズム、言い換えると日本語の基礎を練習しているといえます。いきなり「自動車」よりも「ブーブー」の方がリズムを掴みやすいのではないでしょうか。

参考:「ことばのリズム」ON-KEN SCOPE

https://www.yamaha-mf.or.jp/onkenscope/mugitaniryouko1_chapter1/

赤ちゃん語は語彙数を3倍に増やし、記憶力が上がる!?

他サイトでも多く紹介されていますので詳しい説明は割愛しますが、エディンバラ大学の研究で赤ちゃん語が語彙数を増やし、記憶を高めて、言語発達を促すことを明らかになりました。
英語での研究結果なのでそのまま日本語に当てはまるかは検証が必要だと思いますが、高い声や優しい語感、音の繰り返しを含んでいるところは日本語の赤ちゃん語も同じですので、ある程度の効果が期待できるのではないかと思います。

参考:「最新研究で判明!「赤ちゃん言葉」は赤ちゃんのボキャブラリーを増やし、記憶を高める」ハピママ* http://ure.pia.co.jp/articles/-/293207

赤ちゃん語は自然に消失します

記憶力が上がるとともに、少しずつ難しい言葉を覚えるようになります。
そうなると、クラスで赤ちゃん語を使うのが恥ずかしくなって、自然とブーブーではなくクルマと言うようになります。どんな子でも年長クラスになれば赤ちゃん語は使わなくなりますので安心してください。

可愛くても間違いは直しましょう

幼児の発語でよくある間違いに「ガジャイモ」「トウモコロシ」「テベリ(テレビ)」などがあります。これはどんなに可愛くても赤ちゃん語ではなく、間違えているだけですので、「そうね、テレビで見たねー」とやんわり訂正してあげて下さい。すぐに直らない場合もありますが、何度も繰り返したあとにきちんと「テレビ」といえたりすると、逆にもの凄く感動できます。